「文具は自立した女性像を与えてくれる魔法の杖」(前編)
−文具ソムリエール・菅未里さんとグランジュテのストーリー

文具ソムリエールとして、商品企画やコラム執筆、テレビ出演など広く活躍する菅未里さん(https://misatokan.jp/profile)。文具の魅力を紹介する著書も人気で、女性を中心に、多くのファンを集めています。

そんな菅さんですが、実はマルマンの女性向けノートブランド「グランジュテ」(http://www.e-maruman.co.jp/grandjete/)の発売以来の愛用者。「仕事に行き詰まったとき、グランジュテが支えてくれた」という菅さんに、その魅力を語ってもらいます。

インタビュー前編となる今回は、仕事に悩む菅さんに衝撃を与えたというグランジュテとの出会いを伺います。

 

文具業界では知性やクールさは女性に与えられないものだった

最初に、グランジュテとの出会いについて教えてください。

私が文具ソムリエールの仕事を初めたのは2013年なのですが、当時女性向けの文具は「花柄」や「ハート」、「リボン」といったファンシーなデザインのものばかりでした。でも実は私、そこまで“いわゆる女の子っぽいもの”が好きじゃないんです(笑)。もちろんかわいいと思う気持ちはありますが、ビジネスの場で使いたいとは思わないというか。

菅未里さん。文具ソムリエールとして文具の紹介や商品企画、企業のコンサルティングなどを手掛ける。
グランジュテは、まさに大人の女性にビジネスの場で使ってもらえるものを、という構想から生まれたブランドです。

文具業界はピンクやふんわりかわいい系のものが売れる傾向にありますから、ファンシーでかわいらしいものが多くなるのはわかるんです。でも当時の女性向け文具には、他の選択肢が全くない状況でした。いただくお仕事でも「かわいい」とコメントして欲しいという思惑が透けて見えることが多くて。それが数年続いてたんですが、当時は本当に辛くて、この仕事を続けられないかもしれないと悩んでいました。そんな頃に、グランジュテが発売されたんです。

グランジュテの最初の印象はどうでしたか?

かわいい系一辺倒だった女性向け文具シーンに、知的で上品な女性像を打ち出したグランジュテは衝撃的でした。「画期的なブランドが出てきた!」と。さらにそれがユニセックスではなく女性向けというのがポイントです。

菅さんが愛用するのは、シルバーのB5ノートとピンクの便箋と封筒。
確かに、クールで知的な文具はメンズ向けのものが多いですよね。

そうなんです、知的で上品な文具のほとんどはメンズ向け、よくてユニセックス。日本の文具業界では知性やクールさは女性に与えられないものだったんです。お仕事でも私がコメントできるのはピンクや花柄のかわいいものばかり。その息苦しさの中で、グランジュテが出てきた感動はすごかったですね。知的でクールな女性はたくさんいるのに、そういう女性に向けた文具がない、と悩んでいた私にとっては特に。

 

グランジュテに出会って、文具の仕事を続けられると思った

グランジュテとの出会いで、菅さん自身にはどんな変化がありましたか?

日本で「知的な女性」、「上品な女性」という文具をつくってくれる人たちがいることに希望を感じましたね。マルマンさんが出してくれたら他のメーカーさんもきっと気づくはずですし、これからの日本の文具業界は大丈夫だ!って。グランジュテが出たことで、「私、まだこの仕事を続けられるかも」と思えたんです。

実際に使ってみた印象はいかがでしたか?

マルマンさんはスケッチブックのイメージがありますし、品質に信頼があるメーカーさんという印象でした。社内に紙のマイスターさんもいらっしゃいますし、特に紙はマルマンさんというイメージ。そういったメーカーさんがデザイン性の高い女性向け文具を出したことが、とても嬉しかったんです。「マルマンさんの品質に、デザインが加わったんだ!」って。

ありそうでなかった絶妙なピンク使い

グランジュテのデザイン面についてお伺いさせてください。特にお気に入りのポイントはどこですか?

ノートと便箋を愛用しているのですが、グランジュテはピンクの使い方が絶妙なんです。一般的な文具業界のピンクは甘いふんわりした色味が圧倒的に多いですよね。それも素敵ですが、私が好きなのはそっちのピンクじゃないんだ……!ということが多くて(笑)。一口にピンクといってもいろいろあるので。でも、グランジュテはキリッとかっこいいシャープなピンク。こういった知的なピンクってなかなかないんです。箔押しの金も効いて、黒い万年筆のインクが映える色なんですよ。

グランジュテの便箋。1枚ずつゴールドの箔押しがあしらわれている。
女性向け文具が増えている中で、他のブランドとグランジュテの違いはどこだと感じますか?

今までの女性向け文具は“かわいい”が押し売りされているような商品が少なくなかったのですが、グランジュテは「女性独自のかっこよさ」を表現できているブランドなんじゃないかと思います。それにデザイン性が高くて、5千円、1万円と高価なものではなくて、現実的に手に入りやすい価格なのは画期的だと思います。

日常使いできる価格と、デザインと品質のバランスがよかったんですね。

ユーザーのみなさんには「デザイン性の高いノートは紙質が悪い」というイメージがあるようで、おしゃれな文具を買って失敗した経験がある方の声を多く聞いてきました。だから、グランジュテのように品質とデザインを手頃な価格で両立しているのは本当に素晴らしいと思います。

 

文具の仕事を辞めることまで考えた菅さんを支えたのが、知的な女性に寄り添うグランジュテの文具だった。そんな思いに触れた今回に続き、後編ではグランジュテのノートの使い方を伺います。メディアに見せたことがないという、菅さんならではの意外な活用法とは?